モニカが電話を掛けて数秒。
部屋の外からバタバタという足音が響く。
来た、と逃げ出したくなる足を叱咤し、その場に留まる。
段々と近付いてくるその音が、絶望へのカウントダウンに聞こえてきて。

そして、バンッと常にないほどの音を立てて扉が開かれた。
あぁ、来てしまった。
そちらへと顔を向けると、想像通りジノの姿がある。
どうしよう。何て声を掛けて良いか分からない。
そもそも、モニカは何と言って彼を呼んだのだろうか。
ジノに向いていた視線をモニカへと変更すると、彼女は分かってるとばかりに口を開く。

「面白いものが見れるから早くラウンジへいらっしゃい、って言いましたの」

今まで見たことがないぐらいキラキラ輝いているモニカから思わず顔を背けてしまった。
と、そこで入ってきたジノが何も言葉を発していないことに気付く。
恐る恐るジノへと視線を戻すと。
ぽかんとした表情が目に入った。
どうしよう。再度そう思う。
せめて何か言ってほしい。
そんなジノとスザクの無言を破ったのは、ジノの後ろに隠れてしまっていた人物だった。

「ジノ、どうしたの?」

声の主であるアーニャが、顔を覗かせながらジノの見ているものに視線を合わせる。
一瞬目を丸くした彼女だったが、すぐに手元の端末を起動させる。

「記録…」







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