気が付いたらベッドの上だった。

そんな小説やドラマでありがちな表現を、自分が思うときが来るなんて思わなかったと、ジノは覚醒したばかりの頭で考える。
身体を起こすと、脇腹に鈍い痛み。
思わず声を漏らすと、足元の方で人の動く気配がした。
見遣ると、まだ打ち解け切れていないが、気を失うまでは一緒にいた栗色の髪色の彼がそこにうつ伏せている。
何がどうなって今の状態になったのかを、鮮明に思い出したジノが顔を掻くと同時に、足元のスザクが顔を上げた。
ジノが起き上がっているのを見て、ホッと表情を緩めて。
かと思えば、即座に怒りの表情へと早変わり。

「貴方は自分が何をやったかお分かりですか?」
「敬語は止めろって言っているだろ?」
「誤魔化さないで下さい、分かっていらっしゃるんですか?」
「分かってないのはお前だろう。まぁ生憎と自分が何をしたかは分かってるよ」

痛いほどにね、と揶揄すると、スザクの方が痛そうな顔をした。
これは心配してくれてたのか、と喜んでも良いのだろうか。
スザクに言えば間違いなく自惚れるな、と返されるから言わないが、ジノはそう思う。

「で、顛末は?」

あれからどうして自分がここに居るのかジノには知る由もなかったため、スザクに聞くこととした。
痛そうな表情を見たくなかったからかもしれない。
すると、スザクは淡々と話し出した。






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