「今日は何の日だ」

朝っぱらから部屋に乗り込んで来て、そう言い放ったジノに、スザクはカレンダーを見て。
そして首を傾げた。
本日を表す数字は9月18日。
記憶を辿っても、この日が指し示すものには思い至らない。
分からないものは仕方ない、律義にスザクは答える。

「何?」
「…っ」
「…なんだよ」

信じられないというように息をのんだジノに、不機嫌を纏わせた視線を送り。
スザクは着替えようと、クローゼットを開ける。
信じられないのは寝汚い君が、この時間から元気に動いていることだ、とは口には出さず。
黙ってしまったジノへと名を呼ぶ。

「ジノ?」
「知りたい?」

どこか誇らしげに問うてくるジノに、たいした用事ではないと判断したスザクは、別に、と返す。
すると今度は慌てたようにジノが畳み掛けてくる。

「本当に知りたくないのか!?」

聞いてくれよ、と言わんばかりの様子に、ため息をひとつ吐いて。
仕方ない付き合ってあげよう、とばかりにスザクは棒読み状態で投げやりに言う。

「はいはい知りたいです」
「よくぞ聞いてくれた!今日は真ん中バースデーなんだ」
「は?」
「だから今日はスザクと私の真ん中バースデーなんだって」
「…数えたの?」
「あぁ!」

偉いだろ、と胸を張るジノに対して、今度こそスザクは呆れた視線を送る。
何を馬鹿なことを。
互いの誕生日を出発点にして1日ずつ数えていくジノを思い浮かべ、想像上の彼に更に呆れる。

「さぁだから今日はお祝いだ」
「…おめでとう」

言い置いて、もう興味はないとばかりに着替え始めたスザクに、ジノは唇を尖らせる。
スザクがつれなさすぎる。
こうなったらお仕置きだ、と上半身をはだけさせたスザクへと突撃をかけた。

「ちょっ…ジノ!?」

咎めの声はジノへ届くことはなかった。








2008/09/19
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